『地政学』\サクッとわかるビジネス教養/

読書
『地政学』とは

そもそも『地政学』って何?

大学の学部で経済学、物理学、文学とかは聞いたことありますけど、地政学って聞いたこと
ありますか?すみません・・・私、聞いたことなかったです。ある日、本屋で偶然見つけました。
気になっていたけど、なんだか聞いたことないし全然心に響かないまま月日が流れました。
そして、ついに購入!
奥山真司さん著作、サクッとわかるビジネス教養「地政学」 読んだらとっても為になって、
なおかつ面白かったのでレビューします。

基本概念

地政学とは、

「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチです。
海に囲まれ、大群に押し寄せられるリスクが少ない日本と、常に攻め込まれるリスクの
ある内陸国では防衛戦略が異なります。 防衛以外にも国際政治や経済の観点から国の行動には、
地理的な要素が深く関わっています
地政学を駆使することで相手国(周辺国)をコントロールするための視点が得られます
本では、基本的な概念として6つ紹介されていましたが、その中でも「絶対に抑えておかないと
いけない」2つの概念を紹介します。

【ランドパワーとシーパワー】

これまでの歴史では、大きな力を持ったランドパワーの国が更なる拡大を求めて海洋へ進出
するとシーパワーの国と衝突するという流れを何度も繰り返しています。
ランドパワー国「外に出たい」 vs  シーパワー国「押し止めたい」

ランドパワーとシーパワー

例えば、

・古代ローマ帝国(ランドパワーの大国)は、海洋進出をして国力が低下し、崩壊。

・大航海時代にスペイン無敵艦隊やイギリスが世界中の海を制覇。

 

【チョークポイント】

チョークポイントとは、物資の運搬(貿易)のために絶対に通る海上の関所のこと。

基本的に海上交通の道(海路=ルート)は、自然環境や燃費などのコスト、国際的な ルール
によってある程度決まっています。
このルートを通るときに必ず通る場所が チョークポイントです。
世界の主要なチョークポイントは10個です。

例えば、中東で産出された石油を日本へ運ぶタンカーの通り道は「ホルムズ海峡」と

「マラッカ海峡」です。前者は、海賊が頻繁に出没し、後者は中国軍が近年進出しており
想像以上に危険なルートです。アメリカ海軍が世界の警察として守っているおかげで 石油
が安定的に確保でき、日本の経済が成り立っています。
もし、マラッカ海峡が通れず、オーストラリアの南を通るようなルートになれば、時間も
燃料も多くかかり、頻繁に来なくなると石油の価格が上がるだけでなく、国内で備蓄する
場所も必要となり大打撃ですね。日本の石油消費量は世界4位!なんです。

石油がなければ、GDP世界3位の日本経済は、成り立たないですよね。。。

日本

<歴史>

日本は江戸時代までは、島国でありながら海外との衝突がなく、内向きのランドパワー国
でしたが、明治時代になると海洋進出を強め太平洋での覇権争いでアメリカと衝突し戦争と
なり、敗戦。今は、アメリカのシーパワー勢力の傘下にいます。
▼アメリカ、中国、ロシア、韓国と焦点はありますが、アメリカとの関係、基地問題に
フォーカスします。

沖縄米軍基地

〜アメリカにとって沖縄米軍基地は”完璧な拠点”〜

完璧な理由

 1.位置 

世界の主要都市が1万km以内に収まる! ICBM(大陸弾道ミサイル)を沖縄に配置
すれば、射程距離内にアジア、中東、豪州は もちろんのことロンドンやモスクワまでも
入れることができ、アメリカは非常に大きな 影響力を持てるのです。

 2. アメリカ人の感情

アメリカ人にとって侵略ではなく、戦争で勝利した領土であること。
日本人にとっては複雑ですが、アメリカ自身も多大な被害を受けながらも勝利して得た<
領土であることが心理的な負担が小さい。

 3. 基地の設備

最新鋭の兵器が配備され、ジャングル戦の訓練施設などもあり米国外では世界最高レベル
の設備が揃っている。

 4. 社会資本安定性

他国と比べ、道路や港湾などインフラが整い、政情が安定しているので着実な運用が可能。

▶︎1992年に撤退したフィリピンのスービック海軍基地(当時、アメリカ最大規模の一つ)

と比較すれば、沖縄の完璧さが際立ちます。
こんな”完璧な基地”を到底手放すことはなさ そうです。

アメリカ

<歴史>
アメリカは、「孤立した大きな島」!! 国土の多くが海に接し、周囲に拮抗する勢力がない
アメリカは、地政学的には一つの島。 他国から侵略されにくく、カリブ海と太平洋に進出して
シーパワーを得たことで、世界の 覇権を握りました。

▼アメリカのユーラシア大陸における三大戦略

三大対立国

  1. ヨーロッパ → ロシア
  2. 中東    → イラン
  3. アジア   → 中国
アメリカは、地理的には侵略される恐れがほぼない場所に位置します。
隣国にカナダやメキシコがありますがそれぞれのGDPは8%、4.7%と脅威ではなく、
ヨーロッパやアジアとは6,000〜9,000kmも離れています。

だからこそ、外に戦略を向けることが可能なのです。

そして、ユーラシア大陸のパワーバランスを制御して、”世界の警察”として存在感を
発揮しています 日本にとっては、アジアでの対立国である「中国」との貿易戦争が
気掛かりです。
今、一番の懸念はトランプ政権以降、”America FIRST”という名の下に自国の利益を
最大限に主張してきたことです。 アフガニスタンからの撤退をきっかけに今後の
アメリカの動きから目が離せません。 また別の機会にアメリカと三大対立国はブログ

に書きたいと思います。

ロシア

<歴史>
ロシアは、常に凍らない港「不凍港」を目指している! 世界一の広さの領土を持ち、
かつては世界第2位の大国でした。
ロシアは、昔からその 地理的条件が故に南下を目指しています。
以前は、5大ルートと言われていましたが、2000年以降新しく北極海のルートができました。

 

▼ロシアの伝統的な南進5大ルート

  1. バルト海
  2. ヨーロッパ(陸)
  3. 黒海
  4. インド・アフガニスタン
  5. シベリア・ウラジオスト
  NEW
     6. 北極海
ロシアが周辺国と抱える問題は多岐にわたりますが、この本で初めて知った、北極海ルート
のメリットや可能性、日本への影響が興味深かったです。
北極海ルートの日本への影響・・・

影響①  日本〜ヨーロッパの距離が3割短縮!

影響② 海賊のいる危険な海峡を通らないので安心!

影響③  通行許可がロシアのみ!

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ただし、高価な耐氷船が必要、通行料が不透明、補給基地が不十分などの問題 はある

ようです。 また、未開の地だっただけに北極海には莫大な量の石油や天然資源が眠ってい
るらしいので、将来の新たな火種にならないか心配ですね。

中国

<歴史>

中国は、世界第3位の国土を持つランドパワーの国です。 陸続きのため周辺地域からの
侵略に悩まされてきた歴史があり、常に攻められる恐怖があり、周辺国を取り込もうとする
傾向があります。 同時に国内に50以上の少数民族を抱えていることから、民族同士の争い
が絶えません。
ところが、近年は目覚ましい経済発展を背景に海洋に目を向けるようになっています。

 

▼ウイグル問題(国内)だけでなく、アメリカやオーストラリアとの最近は険悪な状態に
なっておりますが、改めて「一帯一路構想」を整理してみます。

 

一帯一路構想

現代版のシルクロードとも言われる、習近平氏が掲げている構想です。
一帯とは、中央アジアとヨーロッパをつなぐ陸上の物流ルートで
一路とは、南シナ海から地中海を結ぶ海上の物流ルートのこと。
ランドパワーとシーパワーの両方を手に入れることを目指しているようです。
経済力を武器に、一帯一路のルート上にある国々に積極的な投資をしており、物流
インフラを 整えることにより、貿易を促進して一大経済圏を築こうという構想です。
歴史上には、ローマ帝国やオスマン帝国など広大な領域を支配した大国がありました。
しかし、ランドとシーの力を両立できた国家は存在せず、一帯一路構想の先行きは不透明
と言えそうです。
お読みいただきありがとうございました。
間違っているよ、などありましたら教えていただけると助かります。
こちらは、本の情報を元に自ら作成した記事となります。

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