行動経済学\サクッとわかるビジネス教養/

読書
『行動経済学』とは

そもそも『行動経済学』って何?

  東京大学教授でマーケティングの第一人者阿部誠さん著作、

サクッとわかるビジネス教養「行動経済学」 は、専門用語はもちろんたくさん出てきますが、

楽しく学ぶことができ、 本当にオススメです。

消費者側視点で専業主婦(夫)の方、お子様をお持ちのママにも心理学的な 視点から子供達に

接することができるようになるので、是非読んで頂きたいです!  

この本で学べること

「お金」が関わる場面で最適な選択ができているか、行動を見直すことができる!

日々の生活は、意思決定の連続です。特にお金に関する意思決定は、誰にとっても大切なものです。

しかし、お金が関係する場面において私たちは常に、将来のことも考えて合理的な選択ができて

いるでしょうか。つい衝動買いをしたり、ギャンブルでお金を失ったりして後悔した経験がある

のではないでしょうか。

この後悔する機会をできるだけ減らすには、人間の意思決定のクセを知る必要があります

基本概念

行動経済学とは、

「実際の消費者の行動から理論を形成する学問」です。

つまり、人間の持つ非合理的な部分に焦点を当てた学問です。

一方で、伝統的な経済学の考え方では、人間は常に合理的な選択をするとされています。

人は理にかなった行動を取ると言う考え方を基本としているので、

「人間は常に超合理的、超自制的に意思決定し、行動するものである」と考えます。

例えば、買い物という意思決定を例にとると、

友人の結婚式に招待された女性が結婚式で着るドレスを買う時、ネットで比較検討して

最も安くて品質の良いものを購入します。そのドレスが似合うようにダイエットを始める

のは合理的で自制心のある行動だと言えます。

 このように、人間は、常に自分の利益を最大限にする合理的な選択をすると考える

のが伝統的な経済学の前提です。

しかし、実際の人間は非合理的!!

先程の女性の例でも同じことが言えます。

15,000円のドレスを買おうとしていたところ、「2着で29,800円!」というセール表示

が目に入り、思わず2着買ってしまったというのはよくある話です。

また、「今日はいつもより多く走ったから」とダイエット中なのにドカ食いをして

しまったり・・・。

あるある。わかる〜。ですよね。

いくら安くても、結婚式で着れるのは1着ですから、この行動は伝統的な経済学が

想定する合理的な行動では説明ができません

さらに、たくさん食べれば運動の効果が台無しになるのは自明。自制ができていない

行動であり、経済学の想定とはかけ離れています。

このように、人間は時と場合によって非合理な行動を取ることがあるのです。

正しい(お得だ)と信じて行なった選択が実は非合理的であったという場合も珍しく

ありません。

他にも、まだ十分にストックがあるのに安いからと洗剤を買ってしまったり、

テスト勉強をしなければいけないのに、掃除をしてしまったり・・・ありますよね。

人間は、必ずしも合理的に行動しない

経済学と矛盾してしまう人間の行動を解明するために登場したのが「行動経済学」です。

より実用的でビジネスに活用しやすい学問です。

特に消費者動向を掴みやすいことからマーケティングの分野で注目を集めています。

それでは、いくつかの代表的な理論をご紹介します。

ヒューリスティック

ヒューリスティックとは、

人間の意思決定を手助けするように働く意思決定プロセスのことで、

自身の経験を元に最適な手段を見つけ出すので、「簡便法」とも呼ばれます。

判断の速さが特徴です。深く考える必要のない場面で、瞬時に答えを出してくれるのです。

下の図で考えてみます。

伝統的な経済学では、たくさんの情報を吟味してから判断するとされています。

しかし、全ての場面でそのような判断を行うのは手間や時間がかかりすぎます。

安いものやこだわりのないものなどを購入する場合や、瞬時に判断するには情報が

多すぎる場合は、効率よく判断する「ヒューリスティック」を多用します。

ヒューリスティックは常に適切な判断に結びつくとは限りません。

むしろ、都合よく解釈するなど偏った考え方(バイアス)を引き起こすこともあります。

代表的な例が以下の3つです。

バイアスを生み出すヒューリスティックの代表例
  1. 利用可能性ヒューリスティック
  2. 代表性ヒューリスティック
  3. 固着性ヒューリスティック

1.利用可能性ヒューリスティック

馴染みのあるものを選択する意思決定プロセスのこと。

Q. CMなどでよく目にしていた商品をつい購入してしまうのはなぜでしょうか?

A. 記憶に残っているものを信用するから

思い出しやすくするための企業の戦略です。

印象に残りやすくして、選んでもらいやすくするために企業は日々努力しています。

広告のストーリーだけでなく、ブランドロゴやジングルの使用などです。

ジングルとは、企業ブランドを印象付けるための音楽です。

ジングルの利用によって、消費者の好感度が上がる効果があります。

例)ニトリ    →  「おねだん以上」
  ロッテ    →  「お口の恋人」

       コスモ石油  →  「ココロも満タンに」

言われてみれば。。。 何度も耳にすることで身近に感じます。

2.代表性ヒューリスティック

代表的(典型的)なものだけを見て、全体も同様であると結論づける直感的な考え方のこと。

Q. なぜ、反対意見は受け入れられないのでしょうか?

A. 少ないサンプルで判断するから

例)『バナナを1ヶ月毎朝食べ続けた5人のうち4人の体重が3kg減!』

→それを見て、「バナナ買いに行かないと!!!」

こんな具合です。

5人では、サンプル数が少なすぎて朝バナナを食べることにダイエット効果があるか

わかりません。しかし4/5という割合のインパクトが強いため、思い込みが生じて

しまうのです。

身近な例が全体を映し出しているという勘違いは他にもあります。

仲の良い友人3人が’縁結び神社’に行ってお守りを買ったことで、彼氏ができたと

聞いて、「縁結び神社のお守りは効果がある」と思い、自分もそのお守りを買いに行く。

3人ではサンプル数が少なすぎるにも関わらず、単なる偶然によってでた極端な結果を

鵜呑みにしてしまうなんてことはよくあります。#少数の法則

他に、

公務員=真面目で堅い、アメリカ人=フレンドリー・・・など #ステレオタイプ

これは身近にたくさん思い当たりますね、、、

3.固執性ヒューリスティック

自分の考えや思い込みに固着し、否定的な情報は集めないか無視するなど肯定的な

情報のみを集めて判断を下すこと。

Q. なぜ、反対意見は受け入れられないのでしょうか?

A. 都合の良い情報ばかり集めるから

社会人ならあるあるだと思いますけど、「今回の件、どう思う?」と一応尋ねる。

結果として反対意見が多かったにも関わらず「よし、賛成多数だね」等。

パワハラ的な形式だけの意思決定の現場も多くありますよね、、、

自分の意見が絶対に正しいと信じていて、メリットばかりを強調して、デメリットを一切

調べない、もしくは隠すという人もいます。

思い込みということで例を挙げると、同じワインを一方はビン、もう一方はプラスチック

ボトルに入れてどっちが美味しいかと尋ねられたらどうでしょう。

試飲してから、ビンの方が美味しいと答える人がほとんどです。

「ビンの方が高そうに見えるから=高い」と考えます。

それ以外にも固執性には、アンカリング効果もよく知られています。

アンカリング効果とは、平均的な会社員のAさんが1,000万円の高級車の広告を見て、高く

て買えないと思っていたのに、翌月、決算セールで700万円になったことを知り、「安い」

と思って、購入を真剣に検討するような例です。最初に見た1,000万円という数字に

強く引っ張られています。最初に得た情報がのちの判断に影響を与えることです。

プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、

投資のように選択に損得や確率が関係する不確実な状況において、人間がどのようなプロセス

を経て意思決定するのかを説明する理論です。

評価(判断)段階の2つのステップ
  1. 損得を勘定する ▶︎ 確率関数
  2. 確率を計算する ▶︎確率加重関数

1. 損得を勘定する

Q. 人は損得を合理的に見分けられる?

 ◉ 質問です
 A. 絶対に100万円もらえる
 B. 50%の確率で200万円もらえるが、残りの50%は0円

どちらが選ばれるでしょうか。

期待値は同じであるにも関わらず、多くの人がAを選びます。
一応、計算
  A.  100万円 × 100% = 100万円
  B.  200万円 ×   50% = 100万円
 
A. 得よりも損を重く感じる傾向にある 

同じ金額なのに心理的なインパクトが異なるのです。

1,000円なくした   1,000円ひろった

人間、損するのはとても嫌なんですね。損は、得の2.25倍重く感じるそうです。

額が同じなら、儲けた喜びより損したダメージの方が2倍以上大きいのです。

人がこのように損失を回避しようとする性質を損失回避性と言います。

こうした感じ方を数字で表したのが、価値関数です。

2. 確率を計算する

Q. 低い確率になるほど希望を感じてしまうのはなぜ?

例えば、宝くじ

行列ができるほど人気なのはなぜでしょうか?

よく買わなきゃ当たらない!なんて言いますが、実際に1等の当選確率を計算すると

5万人収容できるスタジアム100個の中にたった1人いるレベルです。(500万人に1人)

これを聞くと残念ながら全く当選するとは思えません。

なぜでしょう???

A. 低い確率を過大評価するから

人は確率を正確に捉えるのが苦手です。

人間の確率に対する考え方を表したものを「確率加重関数」といい、プロスペクト理論の

中核を担います。

低い確率を過大評価し、高い確率は過小評価する傾向は、0%や100%に近いほど顕著になる

傾向があります。

飛行機の墜落事故が起こる確率も過大評価されがちです。死亡する確率は数百万分の1

にも関わらず、確率が過大評価され飛行機に乗るのを怖がる人が出てくるのです。

実際は、自動車事故に遭う確率の方がはるかに多いのです。

ナッジ理論

ナッジ理論とは、

ナッジとは、「ヒジで軽く小突くように自発的に望ましい行動を選択するように促す」こと

ナッジを使うことで相手に強制することなく、望ましい行動を取らせることができます。

大手企業や厚労省も実践している近年注目されている実用性の高い理論です。

デフォルト効果

ナッジ理論の代表的なもの「デフォルト効果」とは、

選択の自由がある場合に、選んで欲しい方を初期設定にすることです。

例えば、Webサイトで買い物や会員登録をする際に「メルマガを受信する」にチェックが

入っていたり、携帯会社のプランを選ぶ際に勝手にオプションが付いていたりすることは

思い当たると思います。

うっかり、チェックしたままだと大量のメルマガが届くことになり、その度にメルマガの

受信解除をしたという経験が、、、私はいつもあるあるです^^;

オーストラリアでは免許証の裏面にある臓器提供の意思表示にもナッジが活用されています。

元々は臓器提供に同意する人がサインする形式でしたが、「同意する」をデフォルトに

して、同意しない人のみにサインを求める形にしました。わざわざサインをするのが面倒な

ため、同意する人が多くなりました。

さらに、「提供したくない臓器」の項目を増やし情報過多の状態にすることで、サイン

して提供を拒否することの抑止につながりました。

考えることをやめ、サインするという行為が抑止されたのです。強制させることなく

うまく、臓器提供の同意を増やすことができた事例になります。

ひとこと 

行動経済学って今や知らず知らずに社会に浸透していると改めて気付かされます。
ここでは、たくさんの専門用語、事例が図解で紹介されているのでとても楽しく読み進められます。
 
サンクコスト効果(コンコルド効果)などまだまだ紹介しきれていない理論はたくさんあるので
ぜひ、手に取ってみてください。
 
お読みいただきありがとうございました。
間違っているよ、などありましたら教えていただけると助かります。
こちらは、本の情報を元に自ら作成した記事となります。

 

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